ブレインゲイト マーケティングコラム
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SC JAPAN TODAY 2009年1・2月号
〜特集 2020年のSC像を探る〜
未来を先取りするSCを探る
ブレインゲイト(株) CEO  酒井 光雄
   


2020年のSCが相手にする生活者

(1)SCの顧客は、成熟した大人になる

 2020年の日本は、現在32歳から35歳前後の団塊ジュニアの年齢が、44歳から47歳。彼らの子供たちが14歳から18歳。現在60歳前後の団塊の世代は、70歳台になる。人口ボリュームが大きいこの世代の成熟化は、SCのコンセプトとMDに大きな転換を要求する。
 2020年のマチュア世代は、モノの選択眼を備え、生活文化を高度化させている人たちだけに、現在のマチュア世代(65歳以上の人たち)を前提にしたモノづくりや店づくりは通用しない。実年齢よりも10歳以上若く顧客年齢を想定しないと、利用頻度は低下してしまう。消費経験が豊富な成熟した大人たちを相手にするには、売り手側にも成熟した対応を要求する。

 

 現在10代から20代の世代はデパートへのロイヤルティと利用頻度が共に低く、11年後には可処分所得の多い20代から30代顧客になることで、SCは彼らの利用も取り込めるようになる。その反動を一番受けるのが、現在主要顧客層を25歳から35歳前後の働く女性たちに設定しているデパートだろう。

 SCもデパートも、年収800万円以上の給与所得者(全体に占める割合は、男性は14.9% 女性は1.9% 国税庁平成18年民間給与実態調査より)の高所得者を対象にしたセグメントマーケティングを行うのか、それとも平均年収(男性539万円 女性271万円 同調査)を相手にしたマスマーケティングを行うかが問われてくる。

 高齢化が進むとマチュア世帯の年収は低下するが、住宅ローンと教育費から解放されるため、彼らの可処分所得は増える。中小都市には親と同居する単身者や二世代住宅居住層も多いため、20代から30代では年収が低くても可処分所得には余裕のある層がいることも踏まえておきたい。

(2)都市の規模別に変わる生活者の消費意欲

 都市の規模別に見ると、大都市部と中小都市では、生活者の消費行動と消費意欲に差が生じてくる。大都市部では公共交通機関が発達しているため、女性たちの多くは電車やバスを利用する。公共交通機関を利用すると、多くの乗客から視線を浴び、また繁華街やビジネスタウンでの視線を気にして、ファッションコーディネートを学習する意欲が高まる。これが「見る・見られる効果」だ。そのためアパレルや化粧品などへの投資意欲は、加齢しても減退するスピードは緩やかになる。

 その一方、中小都市では人口密度が低いため、「見る・見られる効果」が少なく、女性たちがオシャレをする意欲は加齢に伴って低下していく。さらに自家用車がないと生活できないため、クルマを下駄履き感覚で利用し、人目を気にしなくて済む密室空間になることが、投資型消費(女性たちの自分磨きのための消費行動)を衰退させる原因になる。クルマが「見る・見られる効果」を阻害するからだ。

 中小都市のSCは、複合化と大規模化により街としての機能を充実させて「見る・見られる効果」を発揮して、生活者の自己投資意欲を促進することが不可欠になる。

   

 
     
   
       
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