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「食前酒って何を選べばいいの?」 |
ブレインゲイト(株) 代表取締役 酒井 光雄 |
普段、それ程訪れる機会のないレストランに女性を伴って出かける際、行き慣れない場所で食べ 慣れないものを食べるせいか、多少緊張することがある。 席に案内され、メニューが渡されると、そこで緊張の第一幕が始まる。“なんて良い値段なんだ!” “とんでもないワインでも奨められたらどうしよう?”とか、支払いをする側は自分が何を食べるのかを考えるより、これから先の心配をしてしまう。これは一 見で入った寿司屋にも通じる所がある。
さてこんな時、ゆっくり考える時間を生み出して くれるのが食前酒の役回りなのかもしれない。お 店でウエイターからメニューを渡されて、“お飲み 物は何になさいますか?”と尋ねられたら、食前酒 を尋ねられていると思っていい。 食前酒の本来の役目は、アルコールで胃を刺 激して胃液の分泌を促進し、胃に食事の準備をさせるところにある。食事を楽しくする為のものだか ら、アルコール度数の高い種類やおなかにたまる ものは避けた方が、食事がおいしくなる。また同伴する女性の飲み物を決める手助けをするのも、男 性の役割であることは憶えておきたい。もっともこちらに何ら知識が無くてはアドヴァイスも出来ないし、相手からも店側からも余り料理のことは知らな いナと勘ぐられかねない。 レストランに行き慣れている女性なら、カンパリ ソーダ、キール(クレーム・ド・カシスというリキュールを白ワインで割ったもの)、ティオ・ペペに代表されるドライシェリーあたりは知られている。まずこれくら いはこちらも知っておきたい。その上で大人らしい食前酒をいくつか憶えておけば、心配は無くなる。 アルコール度数を低くおさえ、かつ食前酒らし いものでは、リキュール類をソーダで割るのが良い。
デュボネ(ワインにキナの皮などを漬け込んだ甘苦 いリキュール)やピコン(オレンジの果皮、りんどうの 根等から作られる)はお勧めできる。オレンジやレモンのスライスを入れてもらうと更に美味しい。 ワイン系で始めたい場合は、白ワインをソーダで 割るスプリッツァーなども、軽くて、飲み易い。これならアルコールが弱い人でもOKだし、前菜に進ん でもそのまま飲んでいられる。 食事中にワインを空ける予定があれば、まず最 初にオーダーするものは軽い(要は値段が安い)ものから始める。最初から良いワインをオーダーしてしまうと、二本目は更にグレードの高いものをオ ーダーしなければならなくなる事もあるので気をつけよう。予算的にシャンペンが難しい時は、シャン パーニュ地方以外で作られた(だからシャンパンと 呼ぶ)スパークリングワインを選んでも良い。イタリア産のものは、スプマンテと呼ぶのも憶えておくと、イ タリア料理店を利用する際便利だろう。 もっと安価に発泡酒を飲みたい時には、シードルがおすすめだ。フランスのノルマンディ地方で生まれたリンゴの発泡酒で、アルコール度数が低い ので女性にも最適だ。ちなみにイギリスではこれを サイダーと呼んでいる。 喉を潤し、ひと心地つけながら、後はメニューをゆっくり選べば良い。デザートとコーヒーを食後に 食したい人は、コースメニューをオーダーした方が アラカルトの場合よりたいてい予算は安くつく。 その後は精算という緊張の第二幕の事は忘れ、 存分に食事と会話を楽しもう。 |
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