ブレインゲイト マーケティングコラム
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コスト削減できない企業は
国際価格戦争に敗れ去る
ブレインゲイト(株) 代表取締役  酒井 光雄

 日本マクドナルドの65円というハンバーガーの価格は「安売り価格」ではなく、「国際価格」ととらえたほうがいい。グローバル・スタンダードの波が消費財、サービス財にも及び、国際価格戦争の幕が切って落とされた。その先駆けが、65円バーガーと言える。
 この思い切った低価格戦略が可能なのは、国際企業ならではのインフラがあるからだ。店舗の多さに見るビジネスの規模と、ネットワークの拡がりを背景にした国際調達力が最大の強みだ。
  問題は人件費の高さだ。マクドナルドも国際価格を実現するためには、販管費全般の見直しが必要だった。見方を変えれば破格商品の相次ぐ登場は、日本の人件費が下がっていく前哨戦とも言える。
 商品やサービスの価格が高い原因が人件費の高さにあることを、日本の消費者は理解している。付加価値を高めるための人件費は認めるが、単純作業にかかる人件費には拒否反応を示す。コスト競争力の格差が売上げを左右する時代がきた。
 これは日本企業にとっては脅威である。このところ続々と登場してきた米国のブランドやショップの多くは、まだ価格低下の余力を残しているからだ。例えば、カジュアル衣料品の「GAP」は品質がよく、割安感があることから人気ブランドになったが、実は今の店頭価格は米国の現地価格よりかなり高い。これは日本ではまだ「顔見せ期間」であるからで、彼らが本気になれば一気に価格を下げられる。アジアなどで生産する体制をはじめ、低価格でも利益を確保できる仕組みを10年以上前から構築してきたからだ。
 GAPだけでなく、「トイザラス」、「オフィスデポ」など、日本市場に定着しつつある企業のコスト競争力は強い。あらゆる商品ジャンルで外資の進出によって、ビジネスのインフラが大きく変わった。次の価格破壊が始まったときに、企業の優劣はがらりと変わるだろう。
 情報技術の発達が、低価格化をうながしていることも新しい流れだ。米国の「オートバイテル(ABT)」は、インターネットを利用した自動車の購買代理業で、1995年の創業からあっという間に成長した。ABTはメーカーの出荷価格もディーラーの受け取るキックバックも、すべて白日の下にさらし、そのなかでもっとも価格が安いクルマを選ばせる仕組みだ。これによってクルマの価格は、相当安くなった。メーカーにとっては、広告費を含めた営業コストが大幅減となるメリットが出ている。
 インターネットによって、メーカーによるコストダウンのスピードよりも、消費者が製造と流通の裏側を知るスピードのほうが速くなってしまった。米国に限らず、このような状況に対応できる企業だけが、消費者の支持を得ることになる。

 

 
     
   
       
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