宮城・塩釜の揚げかまぼこ~「政宗」継ぐ力強い食感~

media日経MJ(日経流通新聞)
ブレインゲイト(株) 代表取締役  酒井 光雄

宮城県塩釜市は日本有数の漁港として知られ、屈指のかまぼこ生産量を誇る。この地も東日本大震災に襲われ甚大な被害を受けた。この苦境を乗り越え、新たな商品開発と販路の開拓に乗り出した企業がある。揚げかまぼこ一筋に90年もの歴史を歩んできた阿部善商店(阿部善久社長)だ。

 

新製品の開発にも積極的で、最新商品は白身魚を石臼で練り上げた後に形を整えて、その後、静かに寝かせる製法によって職人が丁寧につくった個別包装の揚げかまぼこだ。商品の種類はプレーン、揚げかまぼこと相性のいい「にんじん」、そして「ごぼう」の3種。弾力のある食感が持ち味で伊達政宗にちなんで「政宗逸品」(10本入り2100円)と名づけた。

 

そのまま食べておいしいが、うまみを倍加させる特製調味料を添付した。地元の銘酒「浦霞」の酒粕をノンアルコールの液状ディップに仕上げたたれ。海藻のホンダワラに通した海水を煮詰めてつくった「藻塩」に昆布パウダーをブレンドした藻塩昆布。藻塩に四国で取れたユズを粉状にしてブレンドした柚子(ユズ)藻塩の3種類で、政宗舌鼓(したつづみ)と命名した。

 

本品はパッケージにもこだわり、かつて塩釜港ではとれたての魚を「トロ箱」と呼ばれる木製の箱に入れて運んでいたことからヒントを得て、杉の間伐材で作った木箱を用い、高級感を打ち出した。

 

料理研究家の河村みちこ氏や日本ソムリエ協会理事の加茂文彦氏からは本品への応援コメントをもらっている。販路はネット直販が中心で、今後は地元デパートだけに限定した店頭販売も視野に入れている。